技適を自分で取る場合の費用

技適について自前で取ろうという相談が相次いで持ち込まれまして、調べてみました。
最近は同様の知見がちらほら公開されてますが、それと併せてご覧ください。

巷では相場は100万円、一発で通らなければ上乗せと言われてますが・・・
もし手続きやら何やら自分でがんばっちゃう場合は場合により安くできるかもしれません(自分の人件費を考えない場合!)。

前提条件として、以下はクリアしているとします。
・デバイスの性能はあらかじめ技適通るクォリティである
・書類は揃っているとする
・デバイスを電波発射テストモードで試験できるようにしておく

なお、既成品を手続きするのであれば、資料は製造元から提供を受ける必要があるでしょう。
また自分で作成したデバイスなどで、ISO9001取得していないところで製造したものでなければ標準価格に比べて割高になります。

準備を整えたうえで、登録証明機関へ試験を依頼する必要があります。

登録証明機関は以下にリストがあります。

http://www.tele.soumu.go.jp/j/sys/equ/tech/

機関によって価格が異なっていますが、一例として一般財団法人テレコムエンジニアリングセンターで
Wi-FiとBluetoothのデバイスを取る場合を公開資料から値段を出してみました。

・WiFi分(2.4GHz)
手数料:¥150,000+試験手数料:¥90,000
・Bluetooth分
手数料:¥150,000+試験手数料:¥90,000

この場合、2つの機能がある複合デバイスとなりますが2つとも単純に足し合わせではなく、
2つ目の機能は一番高い金額のものの+0.7倍となります。この場合両方共同じ金額なので、
片方が¥240000,もう片方が¥168000、合計¥308000となります。

ただ上記は2.4GHzのWi-Fiのみでの計算で、
5.2,5.3GHz / 5.6GHz / 5.2,5.3,5.6GHz のWi-Fiは更に別に上乗せになります。また、5GHz
帯の費用はかなり割高になる感じです。

さて、上記は「工事設計認証」の場合のやりかたです。これは一律に製造したもの全てに対して
認証をとるやりかたですが、数が少ない場合などは別の方法があります。

「技術基準適合証明」というのがそれで、使用するデバイスを全台揃えたうえで一括で試験をします。
簡単な方法としては全台証明機関に持ち込んで抜き取り検査をしてもらう。
例えば50台のデバイスなら3台を抜き取り、100台の場合は8台を抜き取り。

この場合の費用は

・WiFi分(2.4GHz)
申込費用 ¥20,000+特性試験基本手数料最初の1台¥24,000+(2 台目以降 (1台あたり) ¥16,000)×3
・Bluetooth分
申込費用 ¥20,000+特性試験基本手数料最初の1台¥24,000+(2 台目以降 (1台あたり) ¥16,000)×3

2つの機能がある複合デバイスとなりますが「工事設計認証」と同じく2つを単純に足し合わせとならず、
2つ目の機能は一番高い金額のものの+0.7倍となります。ここでも両方共同じ金額なので、
片方が¥92,000,もう片方が¥64,400、合計¥156,400となります。

ここでも上記は2.4GHzのWi-Fiのみでの計算で、
5.2,5.3GHz / 5.6GHz / 5.2,5.3,5.6GHz のWi-Fiは更に別に上乗せでこちらもかなり割高になる感じです。

また、抜き取ったもので1台でもNGだったり、品質が均一でない場合は追加ないし全台の試験が必要となり
費用はどんどん膨らみますので事前に品質管理をきっちりしておかないとアレなことになります。

いかがだったでしょうか。上記に示した金額の他に、ラベルの費用だとか細々とかかるっぽいですが
大体の感じはこんなところではないでしょうか。

目安として

使用するデバイスが100個未満であれば、「技術基準適合証明」

使用するデバイスが1000超える→「工事設計認証」

というぐらいでしょうか。100〜1000の間はコストなどを睨んでの判断。

なお、どこかの施設に付帯する設備として運用する場合は、無線局の開局申請をして工事終わった後に
検査官に落成検査に来てもらうほうが早いし安いかもですね。

同人誌「レンズ Hack for Raspberry Pi Camera」の公開

去年の夏に研究した、安くRasbperry Piと組み合わせることのできる各種レンズについてのPDFを公開しました。
Screenshot from 2016-01-18 19:28:10
ダウンロードは以下からどうぞ。

RaspiLens.pdf(6.4MBytes)

このレポートはLSS鈴木さんの同人誌「ラズパイライフ2015夏号」に収録されました。

IMG_1031

この「ラズパイライフ2015年夏号」は2015年夏コミで8/16日 東P13b matoken’s meme さんブースに委託で販売してました。

「レンズ Hack for Raspberry Pi Camera」部分の記事内容は Public Domain です。どうぞご活用ください。

Raspberry PiでKINECTを使ってみる

Raspberry Pi で KINECTが使えるかどうか調べてみました。

KINECTを一般的にHackするやりかたについてはこちらがまとまっています。

ここでも紹介されている libfreenect は、Kinectのオープンソースドライバで、深度と光学映像が撮影できます。
KINECTといえば骨格映像でモーション判別という印象がありますが、そのようなものをする場合にはOpenNI
などを使うことになります。しかしRasbperry Piで行うとなると相当なHackが必要っぽいです。

今回は、libfreenectに絞って動かして見るところまでやってみます。

以下行う作業は、Tunpixel’s Notes の「Kinect on Raspberry Pi」

http://blog.tunpixel.tn/2014/10/27/kinect-rasp/

に記述しているものほぼそのままです。

なお、ひとつひとつのインストール作業についての解説は上記ページに解説していますので参照のこと。

sudo apt-get install build-essential python-dev ipython python-opencv python-numpy python-scipy git-core git freeglut3 freeglut3-dev libxmu-dev libxi-dev cmake cmake-curses-gui pkg-config libudev-dev

wget http://sourceforge.net/projects/libusb/files/libusb-1.0/libusb-1.0.19/libusb-1.0.19.tar.bz2/download
tar xzvf download
cd libusb-1.0.19
./configure
make
sudo make install

cd ..
git clone https://github.com/OpenKinect/libfreenect.git
cd libfreenect
mkdir build
cd build
ccmake ..

ここで、EMPTY CACHE という表示が出てくるので 「c」キーを押してconfigureメニューを出し、
「BUILD_EXAMPLES」にカーソルをあわせてエンターを押し、「ON」を「OFF」に変更する。
再度「c」キーを押して、「g」キーで終了。

cmake ..
make
sudo make install

cd ../wrappers/python
sudo python setup.py install

これで、インストール終わりです。
デモを起動してみます。

sudo python demo_cv_async.py

今回試したOSは raspbian-FABLIB-20151106 で、 2015-09-24-raspbian-jessie.zip をベースにしているのですが、

(Depth:13998): GdkGLExt-WARNING **: Window system doesn’t support OpenGL.

と出てしまいました。

sudo apt-get install libgl1-mesa-dri

として、再起動。

cd libfreenect/wrappers/python

として再度

sudo python demo_cv_async.py
で起動しました。

Raspberry Pi 2 Model Bですが、topを走らせると、 load average: 0.8~0.9ぐらいいってします。
なお、このディレクトリに含まれているファイルは以下のようにサンプルプログラムが含まれています。

CMakeLists.txt
README
build
demo_cv_async.py
demo_cv_sync.py
demo_cv_sync_multi.py
demo_cv_thresh_sweep.py
demo_cv_threshold.py
demo_mp_async.py
demo_mp_sync.py
demo_tilt.py
frame_convert.py
frame_convert.pyc
freenect.c
freenect.pyx
setup.py

このうち、
demo_mp_async.py
demo_mp_sync.py
は動きませんでした。
demo_tilt.py は動いているのだか動いていないのだかよくわからない感じです。

ですが Rspberry Pi であれこれ苦労せずにできる範囲がわかりましたので、ここまでで調査は終わりということで。

eとぴあ・かがわ「春の文化祭」で Raspberry Pi のワークショップを開催します

下記の通り 拙書「Raspberry Pi 電子工作レシピ」を基にしたワークショップを開催する運びとなりました。

四国のうどん県香川県の高松市ですが、お近くの方はどうぞご参加ください。

eとぴあ・かがわ「春の文化祭」イベント・えれくら!TypeR特別編
「『ラズベリーパイ』で電子工作入門」

開催日:2015年3月14日(土)
場所:eとぴあ・かがわ クラスルームA
〒760-0019 香川県高松市サンポート2−1 マリタイムプラザ高松 高松シンボルタワータワー棟
時間:
10:30-12:00:午前の部「初心者向け」
13:30-17:00:午後の部「中級者向け」

講師 河野悦昌氏

内容 翔泳社『Raspberry Pi電子工作レシピ』の内容を元に、以下のように開催します。

午前の部「初心者向け」10:30-12:00
初心者向けの内容となっており、、LEDをチカチカ点滅させるという動作を、RaspberryPi からの制御で行なってみることで、ブレッドボードを使用した配線、LEDの使い方、RaspberryPi とはどういうものか体験してみる、といったことを解説します。
Raspberry Pi にディスプレイ、キーボード、マウスを接続し、Pythonで簡単なプログラムを作ってみます。

午後の部「中級者向け」13:30-17:00
中級者向けの内容となり、モーターを制御する方法を解説し、実際にモーターの制御を体験していただきます。さらに、モーターを使った作例として、カメラの雲台を紹介し、時間が余った方には、雲台を作っていただくことも可能です。
Raspberry Pi にはディスプレイなどを接続せず、ネットワークからログインして Python などのプログラムを作っていきます。いろんな動作を体験したい方向けです。

機材や資料は全て貸出致します。書籍 『Raspberry Pi電子工作レシピ』をお持ちでなくてもOKです。

詳細ページ

http://www64.atwiki.jp/elecra296/pages/14.html

cygwin でコンパイルエラー

「Raspberry Pi 電子工作レシピ」の配布用にCYGWINの設定済みのものを用意しています。

以前の CYGWIN だと、 ja_JP.UTF-8 にロケールを設定するにはインストール後に設定しないといけませんでした。

今回新たに設定するために試してみたら、最新版のものは自動で ja_JP.UTF-8 になるようです。

とても便利になりましたが、時にはこれが悪さをすることがあります。

今回、Windowsコマンドが文字化けする対策としてcocot をラッパーとして設定しようとするときに問題が発生しました。
cocot: COde COnverter on Tty

http://vmi.jp/software/cygwin/cocot.html

Owner@acerwin8 /usr/local/src/cocot-master
$ make
make all-am
make[1]: Entering directory ‘/usr/local/src/cocot-master’
2 [main] make 4352 fhandler_disk_file::fixup_mmap_after_fork: requested 0xize 65536, Win32 error 487
2541 [main] make 4352 C:\cygwin\bin\make.exe: *** fatal error in forked proce
3703 [main] make 4352 cygwin_exception::open_stackdumpfile: Dumping stack tra
79 [main] make 2780 fork: child -1 – forked process 4352 died unexpectedly,
make[1]: fork: Resource temporarily unavailable
make[1]: Leaving directory ‘/usr/local/src/cocot-master’
Makefile:166: recipe for target ‘all’ failed
make: *** [all] Error 2

これを回避するには、以下のようにして一時的に英語設定にします。

export LANG=C

これで make すると、無事コンパイルできました。

さて、この cocot ですが以下の内容を/etc/profileの最後に追加して設定しています。

alias ifconfig=”cocot ipconfig”
alias ipconfig=”cocot ipconfig”
alias arp=”cocot arp”
alias netstat=”cocot netstat”
alias arp=”cocot arp”
alias traceroute=”cocot tracert”
alias nslookup=”cocot nslookup”
alias route=”cocot route”
alias ping=”cocot ping”

ネットワーク系のコマンドはほとんどcygwinに無いので、Windows上にあるコマンドを呼び出せるものはこのようにすると文字化けせずに使えるようになります。